ある本に、「ロシアの格差拡大」拡がる、資産を所有する最上位10%と最下位10%の格差は16倍以上となったと出ていました。

「そうかロシア、むべなるかな」と思っていましたら、タイの資産格差はなんと211倍だそうです。

確かに、タイを旅行した人に話を聞くと、5万円で「王様のような」旅行ができるということのようですが、これほどに脚光を浴びてきたアジア新興国たちは、それほどに格差があるのか、貧しい層はそれほどに貧しいのか、日本をモデルに台頭してきているのではなかったのかとの疑問もわきます。

そこでアジア新興国事情を見てみますと、アジア新興国の経済成長は「低賃金の労働者を働かせ」「低コストの投資」をひたすら続けてきた上での成長で、イノベーションというものがないのであります。

したがって、成長により蓄積されるはずのノウハウもなく、もちろん国民の貯蓄力もないままに、前回も書いたように、賃金が上昇するとアジアのほかの国又はアフリカなどのさらなる後発国に投資先は向いてしまうことになるのです。

また、人口が増加を続けていた時代の「人口抑制政策」や女性が活躍できる国に育ってきた反面の「つまらない男と結婚するよりも仕事よ」ということになり、先進国よりも「少子高齢化」が進み、若い労働力が減少し、社会保障の脆弱さもあり、高齢者の生活を見る人もいなくなりつつあります。

こう見ると「アジア新興国の資産格差もむべなるかな」と思うのですが、そのアジアの中で日本の存在感はどうなのか、1970年代にはアジアの経済に日本が占める割合が約32%もあったのに、なんと今はその半分以下の約15%となりました。

それでも日本より悲惨なのがお隣の韓国で、日本のSONY,パナソニックの売上を大きく引き離したはずのサムソンやLGは大きくなりすぎてその株主のほとんどはアメリカ人で、あまりの成果主義に徹した経営の追求と、儲けの海外流出で、韓国国内は不況の嵐が吹きすさび、さらには短大、専門学校を「大学として認可」したため大学進学率は85%になったものの、そのために大卒の就職難は切実になり、韓国の自殺率は自殺大国とも揶揄された日本をすでに抜きさりました。

それでも「アジアの時代」と言われるのだから、そう言われているうちに成長しないと一生成長できません、アベノミクスと日本にこだわらずに、「アジノミクス」=アジア+エコノミクスで、、、アジのミックスフライ定食みたいなネーミングですが、、、手を取ることが、大切ではないのかなと思います。

税理士法人SETACS