馬券は競馬場もしくは場外馬券売り場で買う時代は過ぎ去り、携帯電話やインターネット経由で購入できるようになり、勝ち馬券の無申告非課税時代は課税される時代に様変わりしました。

 馬券の勝ちは、税務上「一時所得」になり、収入は配当額で、経費は、、ここからが重要なのですが、、その勝馬券の購入分のみ、ようするに他の負けたレースの購入分は全く差し引くことなく、勝った1レースのみ分しか認められないのです。

 そこで生まれた悲劇が昨年の話です。

それは会社員がインターネットで馬券を3年間で287千万円購入して30億円余の払い戻しをして差引14千万円の儲けたところ、国税局はこの所得を一時所得とし、この30億円の収入に対する必要経費は287千万円でなく、勝った馬券の購入馬券分のみの13千万円とし、それに対する追徴税額が、な、な、なんと、69千万円となりました。

トータルで13千万円の勝ちに対して7倍の追徴税額とは、いやはや何とも前時代的というか、あまりにも融通の利かない制度にあきれます。

この一時所得はいかなるものかと、対抗して他の判例では「多種多様のファクターを組み合わせて着順を予想し、競争後にも結果の分析及び検討を行い、次の競争に生かして、過去6年間にわたり、毎年黒字の収益を確保した」のだから、すべての収入からすべての支出を引ける雑所得であると主張している人もいますが、この裁判の行方はわかりません。

ここで考えてみると、株取引もFX取引も競馬とまでは行かないと思いますが、ある程度は賭博性が高く、こちらの方は全収入―全支出=所得と認められています。

私は競馬はしませんのでなんら感傷はないのですが、これは税制改正の余地があるのでは?

税理士法人SETACS