167 シリア空爆の真相は 2013.8月号掲載
米軍のシリア空爆はあるのかないのか、オバマは上げたコブシを下ろせるのか?
オバマは9月5日からロシアで開かれるG20サミットに参加するために9月4日に米国を出国します。帰国すると、夏休みの終わった議会がシリア空爆を阻止しようと動くことは間違いなく、空爆をするとすれば、9月4日までという事になります。
そもそも化学兵器は使われたのか?
使ったとしたら、使用者はシリア政府なのか反政府軍なのか?
国連調査団の調査を待って空爆するかどうかを決める、そして空爆の理由は化学兵器を使った罰だと米サイドは言っていますが、本当の目的は別にあるようで、そもそも反政府軍に味方する米国はシリア政府軍の持つ空軍の戦闘機約100機が邪魔でしょうがないのです。
そこで空軍を持たないため地上戦しかできない反政府軍がこれからの内戦に有利になるように、この100機だけは潰しておこうと画策しているわけです。
オバマは大統領就任時は戦争するには議会の承認が必要と言っていましたが、911以来、大統領がテロリストの戦いを開始する権限を持ってるし、実際に2011年のリビア空爆も議会を無視して強行しました。
どちらが正しいのかは、私にはまったくわかりませんが、オバマの立場としては、空爆すれば国際的非難を受けるし、しなければ米国はアサド政権が「化学兵器を使用したという」前回のイラクの「大量破壊武器を所有している」と同じような濡れ衣をかけたのではとなり、米国の国際的信用力は失墜してしまうかもしれない、まさにオバマの胸突き八丁といったところです。