ウクライナ情勢のニュースを見ていると、ウクライナの公共施設をロシア系住民に奪われるなどの報道があり、ましてや警察までも奪われるとなると、なんかウクライナは弱すぎるとの印象を受けますが、それにはちゃんと理由があります。

 ウクライナはソ連の崩壊後に独立をしたのですが、独立後は新露と親米欧の間を行ったり来たりして、両陣営からの支援を受けながら現在まで来ました。

 そんな状態の中、ロシアも米欧も、ウクライナ自身が強い軍隊を持つことを許さずに、ウクライナ軍への支援は特にすることもなかったため、軍の装備は古くてしかも少ないのです。

 3月にロシアがクリミアを併合した時も、クリミア駐留中のウクライナ軍が撤退することになりましたが、軍用車の多くはガソリンがなく止めっぱなしだったためバッテリーも干上がり、バッテリーが動いてもガソリンが無くて撤退ができなかったほどの頼りの無さです。

 だから、プーチンがロシア系住民がウクライナ軍に攻撃されたのは許さない、「やったらやり返すぞ」と言っているのは、そういうウクライナ軍のことをよく知ってのことで、さすがに北のタヌキはずる賢いなという印象です。

 そのタヌキに対抗するためにウクライナ新政権が考えたのは、反政府勢力をテロリストと呼び、テロ対策にひときわ力を入れていると思われる米国からの支援を受けようとしているのですが、ロシアと軍事対決だけは避けたい米国は乗ってきません。

 そんな中、ロシアはウクライナへの経済支援を止め、冷徹でなる米国の格付け機関はウクライナを格下げし、あとは経済破綻国お決まりのコースで、国際信用の低下、インフレ、公定歩合の大幅引き上げと、ウクライナ新政権の経済崩壊はほぼ決まりです。

 米欧も助ける気はなく、「弱り目に祟り目」とはまさにこのことで、持たない国が大国に滅ぼされてしまうのか、冷酷な歴史の波にウクライナは飲み込まれてしまうのか、、、歴史の目撃者である現代の人々は何を思うのか、がんばってよ「ウクライナ」。

税理士法人SETACS