自然の中に自然に生じる植物は、害虫や動物から身を守るために、それらが嫌う物質などを蓄積し自己防衛することによって生き残ってきました。
 人間は生きるために、その有害物質である「あく」を取る作業を編み出したり、偉大な先人たちの「試しに食べてみる」といった尊い犠牲の上、毒キノコの存在を知り、ジャガイモの芽の毒性に気が付き、大量にコゲたものを食べるとガンになるなどと先輩に諭されるようになってきました。
 コゲたものは、誰もがそんなに食べるものではないでしょうが、焼き魚、焼き鳥、ハンバーグなどの高たんぱく性食品を加熱したものも、ガンには同じ効果のようなので食べすぎには要注意です。
 そんな時代を過ごしてきた現代人ですが、日本人は毒の象徴である「ふぐ」を食べます
 「ふぐ汁や 鯛もあるのに 無分別」と芭蕉が川柳風に詠めば、「逢わぬ恋 思いきる夜 ふくと汁」と蕪村が色っぽく恋に例えます。
 「四足は机以外、手足のないものは飛行機以外は食べる」広州人を配する中国人でさえ、「1つ間違えると命にかかわる危険な食べ物、フグを日本人はなぜ好んで食べるのだろうか」と新聞が論評します。
 こうなると人間が生きるために食べているのではなく、毒のある食べ物は、毒のある人間の如く味があり、刺激的で、美味であるということなのでしょうか。まだ見ぬ毒のある食べ物に、かんぱいです

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