フランス料理は最初から今のような上品さをまとった料理ではなく、14世紀後半にシャルル5世の料理番のタイユバンが本格的料理体系を作りましたが、その料理は白鳥やクジャクなどの高級食材をべったべたにすりつぶしてシナモンやらチョウジの貴重な香辛料を振りかけた下品な料理でした。
 そのフランスのアンリ2世にイタリアの大富豪メディチ家のロレンツォ2世の娘カトリーヌが嫁ぎ、スプーンはおろかフォークもなくてナイフを振り回すだけの食事風景に嘆き、絢爛たるルネサンスの美意識を食卓に持ち込み仏の宮廷料理が花開き宮廷に名シェフが数多く育ったものの、フランス革命で失職し、生活のためにレストランを開いたところから庶民にもいわゆるフランス料理が広がりました。
 食と美が広がるのには、それを求める人の執念と革命が必要なのです。カトリーヌに乾杯。

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