東京の川沿いや上野公園には、青いシートで覆われた小屋がたくさん建っています。以前にも書きましたが、この青いシートは桜の下で花見をした人たちが置き捨てて行ったものが利用されています。
 そのほか東京にはいろいろな物が落ちています。それやこれやを拾って0円ハウスを建設し、風よけ、雨よけに青いシートを覆います。ハウスの中はこれも 拾った数多くの電化製品であふれ、それをこれまた拾ってきた車のバッテリーをつなぐことにより、テレビも冷蔵庫も炊飯器も立派に機能します。
 その生活で、彼らの貴重な日銭収入がアルミ缶の回収事業で、朝の7時から9時、夜の8時半から1時、1kg126円をこまめに回収することで、多い人で月に5万円の収入になるそうです。
 家賃も電気代もないのですから、その5万円はすべて食費に使えるわけで、そうなると私の知人のG君33歳4人家族の1ヶ月の食費よりも多く、贅沢三昧で 暮らし、お酒も餃子もお刺身も拾ってくるのではなく現金で購入し、時には外食もします。(TOKYO 0円ハウス0円生活 参照)
 しかし世界同時不況は、彼らも同時に襲います。不況になれば近所に彼らのライバルになるであろう人があふれ、新たに0円ハウスを建築しアルミ缶を拾い出 し、区役所も「資源ごみを拾わせないで」の標語を張ったトラックで缶を回収し、また不況前は毎日1本のコーヒー缶を飲んだ人が不況と同時に3日に1本に なって、そもそもの供給源がなくなるかもしれません。
 住居がないと生活保護の申請だってできないし、「定額給付金」否、「低額還付金」だってもらえません。
 路上でも世界同時不況の影響をヒシヒシと感じているのです。

税理士法人SETACS