2004年オリンピックでは、多くの日本選手が活躍して多くのメダルを受取りました。それに対してJOCは、金メダルには300万円、銀メダルには200 万円、銅メダルには100万円の報奨金を各選手に贈呈します。これが多いか少ないかは議論の分かれるところですが、この報奨金については平成6年の税制改 正で非課税になりましたので、所得税はかかりません。だから選手もその御家族も安心して受取ることができます。
さて、この報奨金は平成5年までは一時所得として所得税を課せられていましたが、ロサンゼルス・オリンピックの平泳ぎで金メダルを取った岩崎恭子さんに所 得税がかかることを世間が知り、中学生があんなにがんばったのに税金を取るとは何事だ、という非難が起きました。それまでの税制での一時所得だと税金は 87,000円となり、親も恭子さんを扶養家族にすることができず、その分の税金を支払わなければなりませんでした。
この金メダルを取ったのが中学生女子の恭子さん以外だったら、もしかしたらいまだに課税されていたかもしれません。日本らしいといえば日本らしい決め方です。
日本ではこの程度(?)の報奨金となっていますが、他の国、特に社会主義国の報奨金は多額で、「数千万円の報奨金」にプラスして「家賃が生涯かからない」とか「特進出世」等その家族までもが生涯悠々と暮らしていけるようなものもあるようです。
そのような国では、就職することも困難な人が多くいる場合があり、今回のハンガリーの疑惑の選手のようにドーピングをしてでも金メダルを取りたいと思ったのでしょう。
そのドーピングの手法の「尿のすり替え」ですが、今回はドクター監視の下での採尿となりましたから、今まで通りの他人の尿を袋に隠しておいてそれをこっそ りとコップに入れるという方法は取れません。そこで肛門に他人の尿を入れた袋を入れてそこから管を通してコップに入れるわけですが、それが何かのタイミン グで洩れてしまい、規定の量より少なくなり、もっと出すようにと言われても出すと「混じる」ので出さなかったようです。 これからは、遺伝子操作でも筋肉 増強ができる時代となり、さらには受精卵の時から遺伝子操作をされた金メダリストが出現し、それがまたドーピングでメダル剥奪となると、「その人の人生は 一体なんだったのだろう」、と今から心配するものであります。

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