かねてから話題になっていた年金分割制度が、平成19年4月1日からいよいよ実施されました。 何がいよいよかと言いますと、この制度待ちで離婚を考え ていた奥様が世の中に少なからずいたのではないかと、推測をするからです。 今までは、離婚しても夫の掛けていた年金は夫のもので妻には1円も払われな かったものが、これからは半分半分にできるので、将来的な財政不安から離婚をとどまっていた奥様には正月とクリスマスが一緒に来たも同然です。
決まったお金が毎月入る、嫌な夫とももう一緒に暮らさなくて良い、自由に旅行にも行けるし、カラオケ屋で毎日だって歌ってあげるわ、ハッピー・マイライフよ、夢は膨らみます。 しかし、この制度はそんなに奥様方に朗報だったのでしょうか、ハッピーだったのでしょうか。
あせって失敗しないように、ここで、制度の内容を簡単に見てみましょう。 ①婚姻期間中の夫婦合計の保険料納付記録を分割、②平成19年4月1日以降の離 婚が対象、③離婚後2年以内に請求、④双方の合意が必要、⑤合意できなければ家庭裁判所が調停・・・結構面倒くさそうです。 ①は、ようするに結婚前に夫 が支払っていた年金は分割の対象とはならないので、結婚してまだ数年での離婚では、奥様の受取額は極端に少なくなることになります。
また分割の按分方法も上限を50%と決めて、下限を特殊な計算方法により決めるので、例えば下限20%などという計算結果になると、奥様のもらえる額は 30~40%くらいになる可能性大です。 さらに重要なことは、奥様自らが受給資格期間を満たしていない場合は、いくら分割をされたとしても年金はもらえ ません。 受給資格期間とは、①国民年金だけ・・・保険料納付期間+免除期間+カラ期間=25年以上、②国民年金、厚生年金、共済年金に加入した・・・ 25年以上、③厚生年金、共済年金に加入した・・・20年以上です。 これらの期間を満たしていないと受給できないわけです。 どうですか、歌っている場 合じゃないでしょう。
ところが、遺族年金・・・怖いですね、夫が死んだ場合ですね、夫が本来受取るべき年金の満額とは言いませんが、かなり近い額を受取れます。 毎日は無理としても相当歌えます。 
  「フフフ、毎日塩辛い物を食べさせて、お風呂も45度以上に・・・」などと考えている人はいませんか。 顔が怖くなっていますよ。 すべてほどほどに。

税理士法人SETACS