先月号で鰹節削り機はどこに売っているのでしょうか、と申しましたところいろいろな方からアドバイスをいただきました。誠にありがとうございます。結局、日本橋三越前の「木家」というところで購入しまして、ごしごしと削りながら酒のつまみとしております。 
その際「鰹節は背と腹に分離するので、違う味わいがある」といったアドバイスもいただきまして、あわてて(あわてる必要も無いのですが)和漢三才図絵とい う本にあたってみました。それによると、鰹節は、「鰹の肉の乾したものである。漁人はこれを造るのに、鮮魚の頭・尾を去って腸(わた)を出し二片に分け、 中骨を取り去って、また両片の肉を割き、二、三条にし、これを煮熟して取り出し曝乾す(さらしほす)。すると堅硬になって色は松の節のように赤くなる(そ れで鰹節という)。わが国で日用の佳肴とし、五味の偏りを調和させる。一日も欠かすことの出来ないものである」、とありました。
その通りでした。一匹の鰹から4~6本の鰹節が取れるのでした。確かに削っていると薄茶色の部分とか赤色の部分とかがありまして、舌触りも味も確かに違います。やはり物事も食べ物も基本から見てみないと、本質が見えてきません。 
世界一硬い食べ物として食品界に君臨している鰹節、日本の五味界に燦然と輝きを放つ鰹節、あまりの高貴さに削っている手も震えてくる思いさえしそうな気がしてきました。

税理士法人SETACS