魚に喜ぶと書いて「鱚」キスになります。魚偏の字は当て字が多くて面白いものばかりですが、特にこの「鱚」についてはその字の生い立ちに興味を持ちます。
魚がキスをしているのが喜んで見えたのだろうか、それともこの字を思いついた人がその朝にしたキスにとても喜びを感じたからなのだろうか、それともそもそもキスがとても好きなのか、太古の漢字の歴史に思いをはせるものであります。
5月はそろそろ「鱚」も油がのってきます。てんぷらもおいしいのですが、ぜひ半干しのやつをあぶって食べてみたいものです。かむと海の甘みが皮の油ととも に舌に絡み付いてきて、ほろほろとした白身がほろ苦くなんか初恋の味がします。あっ、そうか、「鱚」の味は初恋の喜びのキスの味だったんだ。きっとこの 「鱚」という漢字を作った人の初恋はさぞほろ苦く、しかも喜びに満ちあふれたものだったのでしょう。日本酒でやりたいものです。

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