先日、第37回古酒・熟成酒勉強会なるものに参加をしてきました。勉強会と言っても、最初に酒の好きそうなおっさんが1時間ほど酒についてのうんちくと新しい飲み方の提案をして、その後ただひたすらに熟成酒を飲み、用意されたつまみを食べるだけです。
熟成酒は「これが日本酒か」と思われるほどの琥珀の色をし、その琥珀を口に含むと永年樽の中で眠りについていた芳香が鼻をくすぐり、その出色した味は出来の良いワインのごとく舌を洗います。
日本酒の歴史の実力を堪能していると、最初に酒のことについて語っていたおっさんがうれしそうな顔をして私のところにやってきました。そして「おいしいで すか、実はもっと美味しく呑めるんですよ」とあやしげな笑みを浮かべます。「酒古里(しゃぶり)は酸味があるから、強い香りのある達磨正宗を3~4滴たら すといいですよ」とややいかがわし気な笑顔で語ります。「日本酒に日本酒を混ぜるのか」、そのような飲み方をしたことがなかったので、「本当ですか」と疑 問の言葉をつぶやきながらも早速、お勧めに従って酒古里と達磨正宗のブースに行ってグラスに注いでもらいます。自分のお酒の味が一番と蔵元はだれもが思っ ているので、ブースの人たちはもちろん嫌な顔をします。
やー、これが美味しいんですね。15年の歴史と12年の歴史を混ぜたのだから27年の歴史を呑んでいるのだからおいしくないはずがないのです。「これから は私もこうやって飲みますよ」とおっさんに言うと、おっさんはうれしそうに淫靡な笑顔を浮かべてしきりにうなずいているのでした。

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