昨今の不況により会社を辞めざるを得ない人たちが、これまた昨今のラーメンブームに乗っかってラーメン屋さんを開業する人が増えています。
 不動産屋に行けば、ラーメン店を開くに適した場所を探している人が列をなし(そんなことないか)、良い場所があると、デパートのバーゲンさながらの様相で取り合います(これもないか)。
 そんなにみんながラーメン屋を開くのであれば、適した場所などもう他の人が店をオープンさせているのではないかと思うのですが、そうでもなく、失敗する人がとても多いので、良い場所などはすぐに空いて、借りることができるそうです。
 これでわかるのが、ラーメン屋の成功の秘訣は「良い場所」だけではダメだということ。
 またラーメンが好きなだけでは成功はおぼつかず、私の知人は日本中の有名ラーメン屋を食べ歩いて「これだ」という味に達し開店し、行列のできる店になっ たのですが、「1日に16時間以上、しかも毎日ラーメンのにおいをかぐのは我慢できない」とあっさりやめてしまいました。したがってラーメンに対する情熱 だけでも店は続かないのです。
 元気が売り物でも、大きな声で「メンマ追加―」と近くで叫ばれるのはうるさいだけだし、「卵は生しかないよ」と陰気な声で言われるとラーメンを「ズルズ ル」と音を立てて吸うのも気が引けるし、味が美味しくても眼光鋭く「どうだうまいだろ」と目で訴えられても食べた気がしないし、こんなことうだうだ言う客 もどうかと思うし。
 とにかくラーメン屋を新たにやるのは大変に困難でイバラな道であることは確かなようです。

税理士法人SETACS