最近、茗荷にはまっています。家に帰ってシャワーを浴びる前に、出汁を取って熱を冷ましお酢をドボドボとわずかの醤油を回した器に四つに縦割りしたみょうがとカブかなんかの葉っぱとキュウリを入れて冷蔵庫で冷やします。シャワーの後の一杯目のビールが終わった後にそのみょうがを冷蔵庫から取出し、「しゃきり」と齧り夏の苦さとお酢の酸っぱさが口の中に広がるのを待ってから2杯目のビールを流し込みます。その「しゃきり」はのどごしも「しゃきり」としながら鮮烈な夏の苦さを残します。

 和漢三才図絵で「茗荷」を調べると「蘘荷」で、「茗荷と書くのは誤りである。茗は茶の名である」とあります。そこで思い当たるのは「茗荷谷」のことで、「みょうがだに」と読むのですが、東京で地名に谷が付くと「渋谷」「世田谷」「入谷」「日比谷」「四谷」で谷は「や」と読まれます。なぜ「みょうがだに」と「うぐいすだに」は「だに」なのか、などと考えながら焼酎に移っていく夏の夜です。

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