1.    日本人の選択

 民主党の選択は小沢一郎にひれ伏したのであろう海江田万里ではなく、反小沢の野田佳彦を日本の総理大臣に選びました。

 なでしこジャパンが世界を制したときに、「次は、よしひこジャパン」と言って恥ずかしそうにうつむいた男の首班指名後のあいさつはなかなかの力強さで、ほとんど人のことをほめない私の妻が「鳩山・菅とは違って眼力があるのがいいかな」と控えめにほめていた。

 これから2年後に日本人が彼を選択するかは、坂道を崩れるように転がり落ちていく日本国という雪だるまの加速を緩やかに停止させるかどうかにかかっています。

 震災からの復興、原発問題の終息、円高、不況、外交などの難問の中の難問に対処できるか否かが日本国そして日本人の未来を決めます。 

 特に、自から鳩までの甚だしい外交音痴とポカン顔で音痴以前の問題で外交に全く取り組まなかった菅の無為無策により中国の脅威が東シナ海から押し寄せてきます。

 中華思想を色濃くして生きた中国覇権主義は、日本で震災が起きた月の末に「2010年中国の国防」を発表し、これからの10年を<重要な戦略的好機の時期>とし、南シナ海も東シナ海も完全にターゲットとして捉えたようです。

 南シナ海を荒らす中国に反発するベトナム、インドネシアなどの国に対して「分相応な欲」と中華思想そのものの中国に唯一対抗しなくてはならないはずの日本国の力は震災で削がれたのか。

 法人税減税をせずに復興財源に回すか回さないか程度で内輪揉めをし、減税しないなら海外依存するしかないなと日本を飛び出していく多くの企業の図式は円高よりも危険な状況です。

 中国を筆頭に軍事力増強にバンバンと予算を組んでいく東南アジア各国の中で震災からの復興にもがく日本の首相になった野田よ、日本を「ノーサイド」にしないようがんばれよ。

税理士法人SETACS