1.    天才には教えてもらえない

 この世には自薦にせよ他薦にせよ天才と言われる人は多くいます。

 かく言う私も、机の上で丸めた紙くずをゴミ箱にカーブを付けて投げ入れて「フフフ天才だな」と一人で立てた右手の人差し指の先を「ふっ」と吹いたりもする。

 そんな自薦天才ではなく他薦の天才の話なのですが、現役中は天賦の才能を発揮する人が弟子や後進の人を指導するときに名伯楽になれるかというと必ずしもそうではないことは数々の歴史が証明しています。

 特に独自の感覚で天才と呼ばれるようになった人たちは感性で指導するのでなんか面白い。

 以前子供の野球教室でゴロの取り方を伝授していた長嶋茂雄さんは、他のコーチである篠塚さんや立浪さんを「えっそうですか、私はこうやりますけど」と慌てさせていた。

 王貞治さんが熱心に教えていた松中が数年して「やっと王さんの言うことが分かった」時には既に彼の体力は下り坂になっていました。

 このような事態は実務の中で直接人が人に教えるようなスポーツ界だけでなく、ノウハウ本やいろいろな本を読んでいても感じられます。

 まあ書いている人が天才かどうかの論はここでは問わずに、本を読み進めていくと、

 ①.経営者として成功するには「人の心を捉えれれば人は付いてくるから、、、」と言われても、その人の心を捉えるのが大変なんだよとなるし、

 ②.整理や片付けをするのは簡単さ「書類はやったそばからファイルして並べていけばいい」、、、だからね、それができないからあっちもこっちもハチャメチャになるわけで、

 ③.ゴルフでパープレイの72を出すのはちょろいものでね「パー4のホールだったら1打上手に打てればいいんだよ、ドライバーがダメだったら2打目でグリーンに近付けて後はピン側に近付ければパーで上がれるよ、2打目がダメだったら3打目で寄せワンしてパーだよ」と続く、、、その1打が打てないんだよーーー。

 ④.果ては、馬券を当てたければ勝つ馬を買えばいいんだよ、ホームラン王になりたければ一杯ホームランを打てばいいんだよとヒートアップをしていく天才たち。

 凡人は天才に教わることは出来ないものなのです。

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