先日、某カード会社の女性から電話があり、「昨夜インターネットのM社で購入した物についてお尋ねしたいのですが」と耳元で囁かれ(電話だから当たり前なのですが)、「はっ!何かヤバイものを買ったのだろうか」と何もやましいこともないはずなのに軽くではあるが動揺をし、「何かありましたか」と、職質を受けた人のような受け答えをしてしまいました。

 「あっ、いえ」、電話の向こう側でもこちらの心の動きを察したように、「いえ、ただのお尋ねですので」、、、安心してくださいとは言いませんでしたが、滑舌がやや悪くなりました。

 それでもさすがにこのような電話をかけなれているのでしょう、滔々と説明をしてくれます。

 その内容は、「昨夜、M社で1,500円の買い物をした後、続けて4万円のものを買いましたか、買ったのであればそれでよろしいのですが、いかがでしょうか」というものでした。

 まだかすかにやましくもない心が揺れ動く中年は「ちょっと待ってください」と必死に昨日の記憶を辿りながらM社のサイトを開いてみると、そこは見たこともないサイトで「アーここでは何も買っていないですよ、何か買ったことになっているのですか」と尋ねると、「やはりそうでしたか、最近このような犯罪が多くなっていますので」、用心のためにお電話しましたとのこと。

 どういうことかと言うと、最近のカード犯罪人たちはコンピューターで名前、カード番号、誕生日を一致させるシミュレーションを何億パターンも繰り返させ「これだ」というパターンを見つけると、まずは試しに1,500円くらいで何かを購入し、それで購入ができたら、4~5万円の物を買ってしまうということです。

 その知恵と労力とアイデアを他に使えばいいのにという安直な言葉を凌駕するIT能力。

 怖いですね、すごいですね、カードの明細書は毎月ぜひ確認しましょう。

税理士法人SETACS