ラテン系ってなに?と尋ねられると、良く言うと「明るくて、陽気な人たち」、悪く言うと「能天気で、踊ることしか考えていない人たち」のイメージですが、いまやすっかり後者のイメージになってしまった世界経済の頭痛の種ギリシャは、本当にラテン系なのか、検証してみます。

 ギリシャはユーロに参加することにより通貨が強くなって、ヨーロッパの銀行がこぞって国債を買いお金がどんどんと流れ込み、ギリシャ人はドイツ人並みの生活を送れるようになりました。

 しかし元々経済的に弱い国なので、国債の条件をどんどんと良くし、日本などの国債の償還期限が大体5年とか10年であるものを1年にし、日本の金利が約0%に対してギリシャは20%もの高金利で、例えば100円の額面の国債を20円くらいで売るので実質金利100%くらいになるものまであり、結局それを償還しては発行しての繰り返しにユーロの国々が不安視したのです。

 そこで1000億ユーロ貸すから何とかしてくれと関連国が援助をするのですが、ギリシャはラテン系なのでいっぺんに貸しちゃうと全部使ってしまうので3か月に1回ずつ50億ユーロとか80億ユーロを貸して、その都度赤字削減をチェックすることにしたのです。

 小学生低学年並みの扱いですが、結局今年の9月に赤字削減がされていないことが明らかになり、大問題になり、「もっと赤字を削れ」と迫られ、その赤字削減政策に反対した国民特に公務員が「我々の楽しいドイツ人並みの生活が奪われる」のはもってのほかとデモを繰り返しているのです。

 これらの前提をもとにギリシャのラテン系度を見てみると、ギリシャの政権は実に能天気というかその日暮らしというか、政権が変わるとその政権を支持していた人たちが公務員になれたりするので、政権交代のたびに30万人もの公務員が増え(全国民の20%以上が公務員)、当然そんなにたくさん仕事があるわけもないので、役所に行かないでも給与を受取れる人が街にあふれます。

 また年金も早いと53歳で受け取れ、しかもその受給権は信じられないことに相続されます。

 そんな風に支出がジャブジャブのラテン系なのですが、入ってくる方の徴税制度もラテンの音楽が鳴り響き、税務署は賄賂が横行し税金は税務署員レベルでの袖の下で減額されるし、豪華な家を建てても高い塀で隠し税務署員に賄賂を渡せば課税されないので、税収は上がるわけがありません。

 優秀で真面目な日本の税務署をアウトソーシングで派遣したら税収が数倍に上がることは間違いないので、日本国のトップビジネスとして考えた方が良いかもしれません。

 まあ元々ギリシャは19世紀に入り5回もデフォルト(債務不履行)した国であるし、民間企業と違ってデフォルトしても国は倒産しないし、しかも戦争で無くなった国はあるけれど、経済で無くなった国は無いので、「いい夢見たな」とラテンのノリで乗り切っていただきたいものですが、、、

税理士法人SETACS