1.    年金の行方

 日本の年金に対する考え方は2つあると思われます。

1つは、「年金制度は破たんすることなく、誰でも65歳になれば年金は支給します」という厚労省と、その言をまともに信じていたのかそれとも片棒を担いでいた社会保険学者や評論家の考え。

2つは、「我々の時代には年金なんてもらえるはずがない、できれば給料から引かれないで自分で貯めていたい」という実にまともで平衡間隔を保った普通の国民の考えです。

1つ目の考えの人たちは、「少子化になってきたからしょうがないんだよ」なんてはるか昔にわかっていたことを今更のように言い、挙句の果ては「年金の運用率を3.2%から4.1%に引き上げたからもう大丈夫」などと、3.2%だって達成したこともないのに言い出しました。

失われた時は取り戻せないのでありますが、無為な空論が続いたものであります。

そこで出てきた年金見直し案を見てみると、例えば夫=会社員、妻=専業主婦の場合は、

保険料負担=「現状」夫のみであった →「見直し案」夫婦が半分ずつ負担したものとみなす

年金受取り=「現状」夫が厚生年金と基礎年金を受取り、妻は基礎年金のみ受取り 

      → 「見直し案」夫婦が全ての半分ずつ支給を受取り  、ということになります。

 こうなると離婚しても夫婦同額の年金を受取れるのであれば、日ごろ「大型ゴミ」扱いしている夫を追い出したい妻主導の熟年離婚率が増えのではないのかとの懸念します。

例えば、妻が結婚前にものすごく高給取りであったのに、若いころによくある勘違いで「お金より愛よ」とばかりに仕事を辞めて給料が安い夫と結婚して専業主婦になった場合は、妻は自分の結婚前の分と夫の分の厚生年金の一部を受取れるので、いまだにうだつの上がらないただでさえ少ない夫(あくまでも想定です)の厚生年金は、「お金より愛」なんて思った私がバカだった、できることならあの高給をくれた会社に戻りたいとモヤシ料理のレパートリーが増えてきた妻(これも想定です)が分割して受け取れることになります。

 「そうなると夫の退職後は当然離婚よ」と思う妻は増えるはずで、これは考えようによっては、個々の家庭の問題を別とするならば、一世帯が二世帯になるのですから、当然日本全体の消費も上がるので景気はよくなるはずです。                          

 ここまで考えて厚労省がこの見直し案を出しているのであれば「凄い」のですが、、、

税理士法人SETACS