食に関することわざには「いましめ」にも似たいろいろな言葉があります。
「飯をこぼすと眼がつぶれる」はさすが米食民族の面目躍如です。「秋なすは嫁に食わすな」はかなりの嫁いびりと思っていたら、秋なすはあくが強いので子宮 に良くないので、思いやりからとの説もあるそうです。しかしこれが、「夏たこは嫁に食わすな」とか「鯒(こち)の頭は嫁に食わせよ」は、本気で嫁いびりで す。
その他、料理のノウハウを教えてくれることわざもあります。「鯛は焼いては食わぬもの」「焼魚は強火の遠火」は今でも役に立つものですが、私には納得がで きないことわざがあります。「鰯も七度洗えば鯛の味」、これは鰯のような大衆魚でも血洗いをよくすれば鯛のような高級魚みたいに美味しくなる、ということ のようですが、このことわざを考えた人は美味しい鰯を食べたことがなかったんでしょうね。私は目の新鮮な鰯が魚屋さんに並んでいると、5~6匹買ってき て、包丁を使わず手の指で腹を裂き、はらわたと頭をとり、3枚におろしてまな板の上で叩きながらシソと味噌とゴマを加えていきます。この鰯の「なめろう」 をつまみながらの酒はまさに至福の心地となります。その鰯も最近じゃ不猟で高級魚となってしまったので、そろそろつまみを鯛にするか、なんて言いたいもの です。

税理士法人SETACS