174. 世界のそこにある危機 14.2月号掲載
中国のシャドーバンキング問題は、今までの中国の対応と違って、その事実を隠そうとはせず、むしろこれを利用して中国の現在の経済体質を根底から変える考えではないかとも言われています。
一時的に経済破綻を迎える中国は国民の不満のはけ口を日本に向けるのではないか、これ以上ないくらい悪化している日中関係はさらに危機である。
−2 もはやフランチャイズ化してしまったアルカイダは、シリア・イラクなどの中東、マリ・ソマリアなどのアフリカ諸国に10カ所のネットワークを置き、またアフガニスタン・パキスタンなどに7カ所の協力関係を置くようになりました。
オバマ政権は、アメリカ大陸に吹き上がるシェールガスと中東よりも豊富と言われる石油埋蔵量で、中東への軍事プレゼンスは縮小の一途。
その一方で、敵対関係にあったイランと急接近し、ロウハニ政権と核問題で暫定合意し「親友が突然、けんか相手といちゃつきだした」と中東の同盟国を怒らせるのは、中東が火種となる危機である。
−3 サウジアラビアは、米国がイランと急接近したことに怒りと危機感を募らせ、今まで国交さえなかった隣国イスラエルと秘密協定を結んだ。
これにより、イスラエルはアラブ世界で最も強力な資金力と政治力を持つサウジの支援を受けられるようになっただけではなく、サウジ領空を通過してイランを空爆することが可能になり、後は有事の際に、イランの地下深くにあるフォルドゥの核施設を攻撃できる重量14トンの地中貫通弾「バンカーバスター」(厚さ60メートルの岩をも貫く)がアメリカ空軍から届くのを待つばかり。
米・イラン・イスラエル・サウジ、大変な危機である。