(1)私たちが納める税金の中で最も納税額が多いのが所得税です。給料から天引きされたり、個人事業者が支払うのですが、その納税額約19兆円は全納税額 の38%を占めています。日本の所得税の最高税率は地方税も含めると50%(納税者にとって所得税も地方税も同じなので、合わせて所得税として説明いたし ます)となります。世界を見ると、アメリカ47%、イギリス40%、ドイツ49%、フランス52%となっています。
(2) 日本の高収入者の納める所得税はというと、給与所得者3,500万人のうち、給与収入が1,000万円以上の人は8.6%の300万人になるのですが、納 税額は全納税額10兆円のうち4兆5千万円=約半分の税金を担っています。一方収入が700万円以下の人たちは全体の78%で2,700万人いるのですが 納税額は3兆5千億円となっています。
(3) 「取りやすきから取る」と言う発想は、所得税だけでなく、法人税(大企業など60%)、相続税(最高70%)などを見ても明らかです。しかも「取りやすい人」にかける税率の高さは半端なものでありません。
(4) 高収入者からバンバン税金を取るというのは一見庶民受けする政策かと思いますが、日本全体の経済を考えると労働意欲、金儲けしたい意欲に水をさしてしまう のは良くない事ではないのでしょうか。特に、事業で利益を上げた人たちが、その利益のほとんどを税金でもっていかれるよりも、その目でもう一度投資先を見 つけた方がより有効的なお金の使い方ができ、世の中は活性化するのではないでしょうか。高収入者(社)がリスクと努力で作り上げた収益を、東大出の官僚が 50%税金で取り上げて使うよりは、60%を成功者に残し、その判断で新たな投資をしたほうが世の中のためなのでは。

税理士法人SETACS