税制改正というよりも改悪という言葉が似合う税制改悪が昨年より続いております。
これからのスケジュールも、平成16年「年金課税の適正化」、平成17年「定率減税の廃止」、平成18年「個人所得課税改革」、平成19年「消費税を含む 抜本的税制改革」と増税の道は続きます。消費税がなぜ平成19年に税率アップをするかというと、小泉任期が平成18年までだからという、まさに大衆迎合主 義的な税の世界になってきました。
  今回の大きな改悪は、土地建物等の譲渡損を他の所得と相殺できなくなったことです。だから、安くなったまま塩漬けの土地やマンションを損を出して売って も、他の所得と損益通算できないので税金はそのままです。しかも前号で書いたとおり猶予を与えることなくいきなり法律を作って容赦なく施行してきました。
  こうなるとゴルフ会員権の譲渡損の他の所得との損益通算もいきなりできなくなるかもしれません。まずは今年がラストチャンスになると思いますので、売って しまったほうが良い会員権は今年のうちに処分したほうが良いでしょう。何度も言いますが、倒産してしまったゴルフ会員権はただの紙くずとなってしまうの で、倒産する前に会員権業者に売りましょう。なお、法人は損が出たら利益から引けますのであせることはありません。
  次に、マイホームを買ったときの住宅ローン減税も平成17年から徐々に減っていきます。予定のある方は今年中に購入したほうが良いかと思われますが、マイホームの選択は税金の還付よりも金利と値下がりしない物件を最重視すべきでしょう。
  法人に関していえば「改正」もあります。繰越欠損金の控除が今までの5年間から7年間に延長されました。しかも平成13年4月1日以後に開始した事業年度 分からさかのぼって適用されるので、これはお得な改正でしょう。但し、それにあわせて帳簿の保存期間も今までの5年から7年間に延長されましたので、ご注 意ください。
  その他平成17年からは、公的年金控除の65歳以上の上乗せ分や65歳以上の方の老年者控除50万円も廃止されていきます。例え「改悪」でも決まったことは守らなければなりませんので、順次「お得」になるような情報をこれからもご提供していくつもりです。

税理士法人SETACS