東大生を持つ家庭の半数の年収が約1千万円の時代になりました。
また、2007年には私立中学の受験者が52,000人と過去最高を記録しました。
学費+塾+家庭教師の年間教育費200万円以上を支払える家庭の子供たちが、中高一貫校に入学し、脇目も振らず、もちろんDSもしないで、ひたすら東大を目指します。
2002年に始まった「ゆとり教育」が、この傾向に拍車をかけました。
完 全週休二日制の公立中学は、英語と数学の授業時間を週1時間ずつ減らし、円周率も3.14でなくて「3」でいいよとなり、焦った親たちが「中学受験をしな いとあなたの子供の将来はない」といった受験塾の営業活動にも乗せられて、こぞって中学受験の道を選び、家族一団協力の元、小学校低学年から約10年間の 東大への道を歩き始めたのです。
中高一貫校である私立中学は、公立とは逆に英語と数学の時間を週6時間に増やし、年間630時間とし、公立の年間315時間に、実に2倍の差をつけました。この315時間は、中高6年間になると、私立と公立の子供たちにどのような差をつけるのでしょうか。
も ちろん勉強することは悪いことではなく、むしろ素晴らしいことだし、私の中一の息子が公立中学に通って、朝も夜も土日も夏休みも野球部の練習で真っ黒に なって夏休みの宿題も終わるか終わらないかの時にも、私立中学の子供たちは塾の「夏季集中特訓講座-夏を制する者は受験を制する-」で、「高校野球の優勝 チームを知っている奴は敗者だ」、「夏期講座の受講料を支払わない親はわが子を敗者にするのだ」と言われながら、一所懸命勉強するのは、尊くもあります。
河合塾の調査では、難関大学出身者ほど正規雇用の職につく率が高いそうです。
しかし、この私立中学に通う生徒は24万人、それに対して公立中学に通う生徒は330万人で、私立中学の諸君は全体の7%に過ぎません。高所得者の子供は、高所得者への道を歩みだすのです。
さ らに、この中学高校と同じ環境で純粋培養された7%の内から、さらに難関の国家上級試験に合格した者が、キャリアとして日本の行政を担っていくわけです。 「打たれ弱い(たぶん)エリート集団」の運営する「弱い日本」は、みんなたくさん勉強したはずなのに、歴史を勉強したことがない(たぶん)ブッシュに曲 解された日本史を語られても、何の抵抗もできません。
公立中学出身の子供たちよ、がんばるのだ、暗記力で及ばなかったら創造力で凌駕せよ、受験テクニックでかなわないなら一芸を身につけよ。これからの日本は、93%の君たちにかかっているのだ。
–なんか力入るなあ。–
(数字などの参照は、加藤紘一氏「強いリベラル」から)

税理士法人SETACS