171.ペルシャ料理に思う 14.1月号掲載
イランと言えばペルシャ料理である。
ペルシャ料理と言えば、チェロ・キャバーブである。
チェロとはお米で、キャバーブは肉やひき肉を大きな金串に刺したりくっつけたりして焼いたものであります。
ペルシャ料理は、スパイスを隠し味に使うことはなく、堂々と、まさになんら恥じることもなく、いやむしろ君が主役だと言わんばかりに、コリアンダー、パセリ、ミント、クレソンに香辛料をまぶす、マブスのです。そして、強烈な食べ物には、強烈な酒が合う。ということで、
「アブサン」を飲むことにする。アブサンは、あたかも「歯磨き粉」のような爽快な薬草系リキュールで、ニガヨモギ、アニス、ウイキョウなどの複数のハーブ、スパイスが成分です。
さて、スパイス料理にはスパイス飲料をと考えたところまでは記憶がありますが、アブサンのアルコール度70%の「ダーイナマーイト」に脳をやられたようです。でもきっと飲んでいるときは幸せだったのだと思います。
しかし、日本の地から、遥かペルシャの地を思うと、イランの法律では、アルコール類を「持つこと」「飲むこと」「作ること」が禁止されています。
こんなに強烈なスパイスお肉を、お米とお水で食べるとは、遺憾千万、残念無念、酒池肉林。