180.「おもてなし」はストレスなのか 2014.8月号掲載
最近、お店などでの店員のセリフは会社のレシピ通りで一気呵成に説明をしてきます。
「本日はようこそおいでいただきましてありがとうございます。お食指の後にコーヒーか紅茶がつきますがどちらにしますか」とだらだら言われるので「は
い?」と聞き返すと、「本日はようこそおいでいただきましてありがとうございます。お食指の後にコーヒーか紅茶がつきますがどちらにしますか」とまた同じことを真
顔で言ってきます。
これは果たして「おもてなし」なのでしょうか?
心の入ってない「おもいやり」のない「おもてなし」は果たして本当の「おもてなし」なのだろうか、言っている彼らは相当にストレスがたまっているようにも見え
ます。
「おもてなし」に疲れ果てた彼らは、電車で老人に席を譲っているのだろうか、道で荷物を落としてばらまいてしまった人を助けているのだろうか(私は先日、自転
車で転んで荷物をばらけさせてしまった青年が自転車を起こすのを手こずっていたので、荷物を拾ってあげようと手を伸ばすと彼の荷物はすべてがエロビデオだったの
で、逡巡し彼の名誉のため手伝うのはやめました)。
もちろんエロビデオでなく他のものであれば拾ってあげるし、お金ならばなおのことです。
「おもてなし」はストレスがたまるけど「思いやり」はたまらないはず、なんか「エラソー」なことを言っていますが、日本の「おもてなし」、もう少し考えた方が
よいのでは。