これも本を読んでいての話なのですが、渤海国の最後の方と日本のお話なので、時は西暦920年ころかと思われます。
日本で言うと都知事くらいの地位かと思われる人が父で、その父がその地位を得るときに前任者を謀略により殺して出世したことがバレてしまいました。
それを知った息子が父に迫ります。
「父上はそんなことまでして、その地位を欲しかったのですか?」
「今まで私を育ててくれた時の高潔なお言葉はなんだったのですか?」
それに対して父上が言った言葉が傑作で、
「親というものは、自分のことは棚に上げて、子供に説教したり諭したりするものなのだよ」
ふーむ、思わず「莞爾として笑う」という言葉が頭に浮かびましたが、世の親というものはそんなものなのでしょうか。
自分は終電まで新橋でグダグダと飲んでいるのに、子供には「お父さんがこんなに遅くまで働いているのに、おまえは勉強もしないで、うだうだ」とウソをつく。
自分は新橋でギャアギャアと騒いでほかのお客さんに迷惑をかけているのに、子供には「お前は授業中うるさいそうじゃないか、そんなことじゃ、ねちねち」と人の道を解く。
自分は人参が食べられないのを隠して、子供には「ピーマンを食べないと大きくなれないぞ、免疫力もあって風邪をひかないんだぞ、くどくど」と栄養学を語る。
「そういう自分はどうなんだ」とリトル林が語りかけてきます。
「私は大丈夫」と答えます、なんと言っても「自分のことは棚に上げています」から。

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