神保町の古本屋をふらりとして茶色く変色した探偵小説をちらりと読むと、現代でも通用するようなトリックが描かれていました。
 主人がお客にカクテルを振る舞うのですが、そのカクテルが確か「白婦人」(ホワイト・レディ)という名前でジンとコワントローとレモンジュースにオレンジを絞ってシェーカーを振ります。
 主人はそれを自分のグラスに入れて味見をしますが、シェーカーをそのままにして絞ったオレンジの皮を押して顔の形を作り「おいちーかなー」みたいな赤ちゃん言葉でお客さんに話しかけます。 
で、しばらくしたらシェーカーからお客さんのグラスにカクテルを入れて、お客さんが飲むとみんな悶絶して死んでしまう、主人も味見をしているのに死なない、刑事が調べてもわからない。
 謎解きは、氷に毒が入っていて、溶ける前に味見をした主人は助かった。
 これを読んで、旧聞に属する話で恐縮ですが、カレー殺人事件を思い出しました。
 もしかしたらカレーの鍋に毒を溶かした氷を入れておいたのかもしれない、最初に食べた人は氷が溶けていないので死なないが、だんだん毒が溶けてカレーに浸透をはじめる。
 もしかしたら、あの犯人はその小説を読んでいたのかも、怖い話でありました。

 

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