会社を創業した社長である父親から2代目3代目社長として事業を譲り受ける立場である子供は、父親が持っている会社の株を相続するのですから、会社のこ れまでの利益が大きければ大きいほど多額の相続税がかかります。 多額の相続税を支払うために会社の株を売ったりしてしまうと会社のオーナーが他人に移っ てしまう可能性もあるので、自宅を処分することもあります。 父である社長が亡き後の2代目3代目である社長は、かようにつらい船出をすることになるかも しれないのです。
  これは相続税法という日本の法律に定められていることなので、逆らいようがありません。
  ここで、突然話は飛びますが、芸能界には小泉孝太郎という男がいます。彼は父親である当時首相であった小泉純一郎の息子として・・・まさに小泉チュルドレ ンとして・・・芸能界デビューをしたのでありますが、彼は父親から受け継いだ知名度・有名度に対して果たして相続税を支払うのでしょうか。 -ちょっと専 門家のふりをして解説しますと、父である元首相はまだご存命中なので、この場合は相続税ではなく贈与税になります。-  まあ、いずれにしても父親のビッ グネームで有名になったとしても、それに対して税金がかかることはありません。   これは市川海老蔵にしても、林家正蔵(いつのまにかこぶ平から変わっ ていた)にしても、2代目そのまんま東にしてもしかりです。
  さらにさかのぼってみると、小泉純一郎は政治家として3代目となります。 祖父、父と続き莫大なる「地盤と看板とカバン」を相続したはずです。 カバンの 中身には相続税もかかったのでしょうが、それよりも何よりも政治家としての最大の財産である地盤と看板に相続税はかかっていません。 これは石原家の息子 たちにしても安倍現首相にしてもしかりです。
  同じく親の財産を継ぐのに、片や莫大な相続税を支払わされ、もう一方は相続税0円。 これぞまさに不公平税制と言っても良いのではないでしょうか。 お金 で換算できないものには相続税のかけようがない、と言われても、釈然としないものがある仕組みなのであります。  と歯軋りをしたものの、日本の法律を作 るのは国会議員の仕事なので、この仕組みを変えようとする人はきっといないのでしょう。  つらいなあ、ごまめ。

税理士法人SETACS