2月に入ってくるといよいよ鮟鱇鍋の登場です。鮟鱇はその魁偉な形状と、見るからにのろまな姿から、いろいろな例えに使われています。そもそも鮟鱇という 名前の由来が「暗愚魚」(あんぐうお、のろまな魚)からきていると言われていて、また、ぼんやりと口を開けている人を鮟鱇がえさを待つ様子に例えて「鮟鱇 の餌待ち」、さらに、相撲取りで太って腹が突き出た力士の体形のことを「鮟鱇形」(あんこがた)などと揶揄されたりもします。
鮟鱇は小さくても15キロ、大きいのだと35キロにもなり体長も1.5メートルになるのがいて、その中でも体重17キロ、体長1メートル弱のが一番おいしいらしい。
トモ(肝)、ヌノ(卵巣)、ミズブクロ(胃袋)、エラ(鰓)、カワ(皮)、ヤナギ(頬肉)、ヒレ(尾びれ)を「鮟鱇の七つ道具」と総称して、店によっては皿の上のこれらの七つ道具にそれぞれの名前を紙に書いて貼って出すところもあります。
鮟鱇と言えば吊るし切りですが、これは全身が柔らかくて包丁が入れにくいので、吊るして身に水をいれて包丁を入れやすくするなどと、まことしやかに言われ ていますが、実はまな板の上で調理するほうが、ぜんぜん簡単で、しかも水なんか入れても脇からじゃあじゃあ出てしまうそうです。偉そうなことを言っている と暗愚な冷や汗が出てきます。

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