小学生だったころ、中学生だった頃、夏休みの宿題の実行は、ほんの少数派の「先行型」と大多数派の「追込み型」に分かれていました。私は7月は「まだ8月丸々あるし」とぼんやり過ごし、8月に入ると勉強計画を立て、次の日に挫折をするとそのままズルズルと8月末まで机に向かわず、9月1日の朝に母に雑巾を縫ってもらった思い出があります。

 宿題に関してはこの二つの派と「コツコツ着実に」毎日こなす派も入れて3派かと思っていましたら、私の子どもは小5くらいの時にまったく宿題をするそぶりを見せないので、「おい夏休みが終わっちゃうよ」と父親らしく声をかけ、まあ最後にはあわてて頼ってくるのだろうから、その時説教でもしながら手伝ってやるかなどと思っていると、カレンダーはもう9月1日です。

 「おい宿題どうなってんだ」と2学期の初日に声をかけると「やってない」と言います。「や、やってないって、今日持っていくんじゃないのか」と「???」の思いで父は息も絶え絶えで声を絞り出すと、「大丈夫、今日一日嵐に耐えたら、明日からは普通の生活が始まるから」と彼は悟りを得ます。

 「き、きみなあ」と父はその場で息絶え床に突っ伏した後、奇跡の復活で起き上がり、超大物なのか超怠け者なのかわからない子供の背中にランドセルをかけ「行ってらっしゃい」と送り出しました。

 そうです、夏休み宿題実行3派のほかに「やらない派」がいたのです。

 そんな男の子も今は高校1年生。宿題をするからと昨日今日の学校の補講をさぼり、一緒に旅行に行くはずだったまだ会ったことのないOさんの奥様に家庭科の宿題を依頼しようと思っていた当ても旅行中止で断念し、仕方なく母に頼み込み、高校最初の夏休みは乗り切りそうです。

 高校の夏休みはあと2回、じりじりとした暑い夏になりそうです。   

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