2000年8月の日銀の「ゼロ金利解除」という天下の愚策から約1年、日本経済は益々デフレ方向にぶれ、最悪のシナリオが進行しつつあります。なぜ物価が上がるインフレよりも物価が下がるデフレのほうが怖いのでしょうか。ちょっと復習しておきましょう。
物価が下がり続けると耐久消費財を買おうとする人は、「ちょっと待てばもっと安くなるはずだ」という消費者心理に必ずなります。ここから恐怖の悪循環が始まります。
物・サービスが売れない ⇒ 叩き売り合戦の激化 ⇒ 消費者は「まだ下がる」と考えて消費を手控える ⇒ 企業の売上が落ちる ⇒ 賃金カット、リスト ラの嵐 ⇒益々消費は手控えられ ⇒ 一段と激しい叩き売り合戦 ⇒ 企業の売上が益々減少 ⇒賃金大幅カット、大リストラの  嵐 ・・・・ まさに恐 怖の蟻地獄状態です。
このように悪循環が次の悪循環を呼び、つまりデフレがデフレを呼んでしまって、誰にも止められなくなった状況が「デフレスパイラル」で、やがては「恐慌」を招き、日本経済は完全に破綻してしまう可能性があるのです。
今朝の新聞に、日銀が金融市場への資金供給量を増やす形にした等とあります。インフレに誘導しようとしているのでしょうが、あまりにも遅い対応です。まあ、しないよりは増し、という事なのでしょう。日銀総裁の早期のチェンジが望まれます。

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