前回までのこの通信では日本の財政赤字が増えて困ったもんだと嘆いておりましたが、野村総研の主任研究員のリチャード・クーは、財政赤字には良いのと悪い のと2種類あり、今は良い財政赤字だと言っています。どういうことか簡単に言いますと、現在の日本は、バブルが弾けたあと株・土地の資産価格が暴落し、借 金だけ残り、企業や個人の資産と負債のバランスが崩れ、とにかく借金を減らそうと消費を抑えるため、全国的に消費が激減し、景気が悪化している状況になっ ている。そこで、お金のつかえない民間に変わり、政府が財政出動をし公共事業などにバンバンお金を使ったことによる財政赤地は100%正しいのだ。今こそ 政府は金を出せ。たとえば今、高速道路の整備に1兆円資金が必要だとする。政府が10年国債を発行して1兆円を調達すれば、金利1.6%なので、納税者が 10年で負担する金利は1,600億円だ。不況がこれから回復して金利が6%くらいに戻ると、その金利負担は6,000億円となるのだ。ということです。 近い将来にこの論理が正しくなることを祈りたいものです。

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