アメリカの大手金融機関JPモルガンが投資の失敗により1600億円の損失を出し、リーマンショックに次ぐ経済的ショックが世界を揺さぶるかもしれないとの懸念が出ています。

実はJPモルガンは、2007年住宅バブルがはじけると経営危機の金融機関を次から次へと買収し、2008年リーマン経営破綻後の穴を埋め、儲けに儲けてここまで来たのですが、なぜそんなに大きな損失を出したのかというと、CDS(企業の経営状態が悪化すると価格が上昇するという金の亡者のような商品)という金融商品の売買によります。

JPモルガンのカリスマ女性トレーダーであるアイナ・ドリュー最高投資責任者は、ユーロ危機が去ればEU諸国の企業経営は改善され、CDSの価格は下がると予測し、EU企業のCDSを次々と空売りしました。空売りして価格が下がれば買い戻して大儲けしようと思ったわけです。

ところが、ユーロ危機は再燃し逆に大損をしてしまいました。だからと言って、JPモルガンが1600億円の損失ぐらいで会社がどうなるということもないのでしょうが、もっと巨大な損失を隠しているのではないかという疑心暗鬼で各国の株価が下がっているのです。

ところで、このカリスマ女性最高投資責任者は何と年間報酬は12億円です、ということは月給1億円です、なぜアメリカという国は一人の人間にこんな多額の報酬を払えるのか、他の金融機関の経営者の報酬にしてもしかりで、ダルビッシュだって46億円ももらっています。

なぜそんなに報酬が支払われるのか? それにはこんな説があります。

12億円の報酬はアメリカ国民の年収の300倍も400倍もします。その国民の仕事はルーチンワークのほぼ全てがマニュアル化されて誰が働いても同等な仕事ができ、いくらでも代替可能なので低収入、その反対の特殊才能や能力が仕事に大きく反映するようなトレーダー、企業経営者、スポーツ選手に高額な報酬が支払われるということです。

成程、そう言えば日本でもユニクロの会長の報酬は大したものだと思うのですが、店員はものすごくマニュアル化されているような気がします。となると、8億円以上の報酬をもらう日産のゴーンやソニーのストリンガーに対して、日産社員の平均年収は684万円で約150倍、ソニーは923万円で約100倍になります。これらの会社の社員のルーチンは完全マニュアル化されて、誰がやっても同じ成果しか上がらないのかと言われてもしょうがないのでしょうか。

ぜひですね、日本を代表する会社なのですから頑張っていただきたいと思うものであります

税理士法人SETACS