7年後のオリンピック開催国が日本に決まり、その建設費をねん出するために日本版カジノを作って、バクチ好きの懐から金を引き出そうと、都庁の誰かが狙っています。

日本にカジノができるのかできないのか、関連株は思惑のみで上がったり下がったりします。

 なにしろ日本版カジノは初めてなので、何を買っていいのかわからない投資家たちは、メダルを作る会社、メダルを識別する機会を作る会社、ゲーム機を作る会社などの株を売買します。

 しかし何と言っても、カジノで儲かる会社はカジノ自体を運営する会社でしょうから、そこの株を買えばいいのですが、まだ日本版カジノを運営していいという法律はできていないので、どこの会社が運営するかは皆目見当もつきません。

 カジノを運営する会社は果たして儲かるのか、世界のカジノの売上を見てみると、マカオが年2兆円、ラスベガスが6000億円というビッグビジネスです。

 ただし、意外と薄利多売な商売で、いわゆるテラ銭(胴元=運営会社に入るお金)が5%と言いますから、ほかのバクチ(?)のテラ銭―宝くじ・TOTOで50%、競馬・競輪で25%、パチンコで10~15%-と比べると低く、それだけに運営会社の手腕が問われます。

 この薄利多売のビジネスをいかに成功させるかは、①世界中から顧客を呼び込めるネットワーク作り、②顧客を楽しませるディラーの養成、③いかさま師を見抜ける従業員の養成とシステム作り、等々、「顧客を満足させて収益も上げる」という至難の経営センスが必要です。

 そうなると、日本の会社は経験が全くないのですから、世界のカジノのビッグ5辺りに運営を委託することになり、儲けは海外に流出し、外国資本の運営会社の株が上がり、結局オリンピックも日本個人投資家の夢もお台場の海に沈みます。

 さて日本政府はこのような状況の中、日本版カジノ法案を通すのかどうか、興味深いところです。

税理士法人SETACS