フランスの経済学者トマ・ピケティの書いた「21世紀の資本」が世界的に売れているようで、
700ページにも及ぶ本が日本でも12万部を超える勢いです。
 難しい本なので「第3部から読んだ方がいいよ」というアドヴァイスに従って、第3部「格差の構造」を舐めてみると、「r>g」という不等号式の説明がなされています。
それを簡単に言うと、200年の歴史からのデータを駆使して世界の経済関係を見てみると、「格差社会」が第一次と第二次大戦の間と、第二次大戦後のしばらくの間は格差が比較的小さかったがそれ以外の時期は格差が大きくなってきた、とあります。
 このような格差社会を望まないピケティは、①年間約5300万円を超える所得には80%程度の累進課税をかける。②資産1億3千万円以上には年率1%、資産6億7千万円超には年率5%の課税を世界規模で行う。③高等教育により多くの投資をして経済成長を実現させるなどを提言し、要は世界規模の課税体制で金持ちから税金を取って再分配しようよ、と言っています。
 この本についてビル・ゲイツが「この本については気に入ったけど、これ以上税金は払いたくない」と内容については認めるけど、解決策としては賛成できないなと言ったそうですが、さて皆さんはどう思いますか? 
 また経済学の本にしては、いたるところで哲学、文学の引用があるのは、「経済学者は数学者、政治家、歴史家、哲学者でなければならない」と言ったケインズを意識してのことか、また解決策がマルクスの資本論のようでもありますね(といかにもちゃんと読んだようなコメントで締めたいと思います)。

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