アメリカはサブプライム問題の解決策を見いだせないまま現在にいたっているようですが、政府の要人たちは個人的にお金持なのであまり関心がないのかもしれません。
  というのも「超・格差社会アメリカの現実」という本を読むと、「アメリカに住んでいると、この国は、4つの階級に分かれた社会だとつくづく思う」と書いてあります。
① 「特権階級」・・・アメリカ国内に400世帯前後いる、純資産10億ドル(1200億円)以上のビリオネラ(超金持ち)と5000世帯前後いる純資産1億ドル以上の金持ち
② 「プロフェッショナル階級」・・・35万世帯前後いる、純資産1000万ドル(12億円)以上の富裕層と、純資産200万ドル(2億4千万円)以上でかつ 年間所得20万ドル以上のアッパーミドル層から成る「プロフェッショナル階級」で、彼らは高給を稼ぎ出すための高度な専門的スキルやノウハウ、メンタリ ティを持っています。
ここまでの①と②の米国総世帯の5%未満の層に全米の60%の富が集中し、残りは「貧困層」(4人家族で年間世帯所得約280万円以下)とさらにその下の 「落ちこぼれ」が分け合います。以前アメリカ国民の60~70%を占めた中産階級(広々とした庭がある郊外の一軒家に住んでいた)は徐々に二分化され、一 部は専門スキルやノウハウを磨いて「プロフェッショナル階級」へステップアップしたが、メーカーなどで働く中産階級の大半は「貧困層」への道をたどってい ます。
大変ですね、暴動起きますね。
さてここで日本はどうかというと「サラリーマンは2度破産する」という本で見てみましょう。
日本の階層は「金持ちスパイラル」「中流バンド」「貧乏スパイラル」の3つに分かれるということです。明日から家族が働かなくても十分生活ができ、それで も資産が増え続ければ「金持ちスパイラル」に入ります。逆に毎月の返済額やクレジットの支払額がどんどん増えて行き最後は自己破産してしまうパターンが 「貧乏スパイラル」に入った人で、ローンを組んで物を購入する人が陥りやすいようです。 
個人破産の申立件数は10年で6倍になり2003年には約24万件、なんと国民500人に1人が破産している勘定になります。しかも多重債務化の原因が 1990年は1位「遊興・飲食・交際」、2位「贅沢品・収入以上の買い物」だったのが、2005年には1位「生活費」2位「収入減少・失業・倒産」と切実 なものになっています。
そしてほとんどのサラリーマンが入るのが「中流バンド」で、この中には収入が少なくても質素なりに普通に生活をしている「幸福な中流」と、高級車に乗った り派手な生活をしていて周囲からはお金持ちに見られるが、水面下では借金をしたり親からの援助で生活している「不幸せな中流」に分けられます。この「不幸 せな中流」は「他の人より収入が多いはずなのに、お金がなかなか貯まらない」という高収入・低貯蓄の人が多いそうですが、自己責任なので反省して生きても らうよりほかありません。
ただ、どうやってもやって行けない、働いても働いても生活保護水準以下の収入しか得られない世帯「ワーキングプア」が日本の全世帯の10分の1もいるそう です。日本国内のガソリンを始めとして様々な物価が高騰してき、益々この傾向に拍車がかかるのでしょう。がんばっていきましょう。

税理士法人SETACS