今、世界は未曽有とも100年に一度とも言われるほどの金融危機に陥っています。
 リーマン倒産を機に、日米欧中心に株式の下落は目を覆うばかりのものとなり、特にアメリカの企業は「株式の価額イコール金融機関の評価」となるので、自社の株が下がれば銀行からの借入はストップし、それが進むと、貸しはがしにもあったりします。
 そうなると資金繰りに窮した企業は、大がかりなリストラを敢行し、今まで日本製品を次から次へと買っていた大消費層であるサラリーマンたちは職を失い、明日からの食べ物に困る毎日になり、TOYOTAやSONYを買っていることなど到底できなくなってくるのです。
 世界のパワーの圧倒的頂点に君臨してきた米国の人々は、その強さにあぐらをかき、巨大さに安心しきっていたので貯金をすることなく、この世を謳歌するために消費を続けていたので堪りません。
 まあ、日本はそのように振舞う米国のおかげで、米国ほどではないけど消費天国と揶揄されるくらいにはこの世を謳歌していたので、文句も言えず、一緒にコケルことになります。
 自動車や電化製品を欧米などに売ることによって利益を上げていた日本企業の輸出は少なくなり、そこで働く人々やその外注先、周辺のお店や人々、ひいては日本全体の景気が悪くなってきています。
  株式下落 → 米企業の評価下落 → 銀行は金貸さない → リストラ → 消費者層に職がなくなる → 物を買えない → 日本企業は輸出できない  → 日本企業は支出を絞る → 給与、賞与も下がる → 世の中にカネが回らない → ますます不況になる 、不況の輪廻は回るのです。
 「株は買ってないから、下がったって私には関係ないわ」と言ってられない状況になっているのです。
 そんな中、日本の首相と財務・金融大臣が連日連夜、高級料亭やらホテルのバーで酒を飲んでいるという話を聞くと、羊のようにおとなしく、山羊のように気の弱い私でさえも「腹が立って」きます。
 別に高い酒を連日連夜飲んでも、「カップヌードルは400円くらいかな}の知識でも良いのです。お金があるんだからどんどん使えば世に金も回ります。だ けど、「いつ勉強しているの」「金融危機対策の案はいつ練るの」「酒飲みながら株価対策はできるの」という疑問がわいてきます。
 仮に、百歩譲って、麻生首相が大天才でしかもいくら飲んでも二日酔いせず「酒を飲めば飲むほど、泉のようにアイデアが浮かんでくる御仁」であれば、国民 は文句を言いません。飲んで天下国家を大いに論じてほしいものです。しかし、「特に自分の政策論を持たずに人まねの政策ばかりしか持っていない」と自民党 の人々の口に膾炙されるのだから、きっとそれは無理なのでしょう。
 しかも夜遅くまで飲むのを守ってくれるSPの人たちの残業代だって税金から出ているのです。
 せっかく首相になったんだからがんばれよ、と最後は投げやりなエールを送り終わります。

税理士法人SETACS