株式投資に関する税制を改正し、国民の皆様にどんどんと株式投資をしてもらおうとして発案されたようですが、その複雑さがかえって投資家の株式離れを促し てしまいました。裏目裏目の小泉内閣ではありますが、決まったからにはその仕組みを知らなければなりません。そこで新税制の説明を簡単にしたいと思いま す。
全て上場株式等を証券会社を通じての売買の場合に有効です。
(1) 平成15年1月1日より、源泉分離課税が廃止になり、申告分離課税に一本化されます。
(2) 申告分離課税の税率が、26%から20%(うち住民税5%)に引き下げられます。
(3) 株式の売却損が出た場合、売却損の3年間の繰越控除ができます。
(4) 平成13年11月30日~平成14年末までに購入し、平成15,16年は継続保有で、平成17年以降3年間の期間内に売却した場合は買付価額1,000万円までの売却益が非課税。
(5) 平成13年10月1日~平成17年12月31日の期間内に、所有期間が1年超の株式を売却した場合はその年の譲渡所得から年間最高100万円の特別控除が受けられる。
(6) 平成15年1月1日~平成17年12月31日に所有期間が1年超の株式を売却した場合は税率が20%ではなくて10%になります。
(7) みなし取得費の特例があります。
(8) 申告不要制度(特定口座)・・・証券会社に特定口座を設けることにより、証券会社が1か月分の売却損益を算出し、売却益に対して15%の所得税を課税します。この場合住民税=5%は自分で納付します。源泉分離課税と違い、確定申告による精算は可能になります。
 以上、(1)~(7)は確定申告をし、(8)の場合のみ申告不要となります。
(8) を選択すると確定申告をする手間がかかりませんが、税制優遇制度は受けられません。
また、⑧を選択しても確定申告ができますので、源泉徴収で多くとられても還付を受けることができます。(8)の制度の利用は、配偶者控除等に有利ですが、慎重な判断をして利用するか否かを考えたほうがよいでしょう。
誰が考えたんだか、わかりづらくて、官僚のにおいがんぷんしてきます。

税理士法人SETACS